美香の仕事は保険の外交員。
「枕」は古い時代にはあったらしいと言っていた。今は社則かなにかで厳しく禁じているから、そういうのはないよと。
でもね、ああいうのも人間性でる。
仕事に直結しなければ、あとはご自身の裁量よね。
美香から俺じゃない男性の話を聞くたびに、「勧誘に行った先の会社で働いている。」と答えていた気がする。
営業ノルマがあるから助けてほしいと言われ、俺も契約するところだった。
セックスをすることと生命保険の契約は確かに別の話だけれど、枕と似たようなもの。
セックスを餌に契約を取るのか、セックスをした相手に契約を迫るのか。
めんどくさいから契約はしてはいないけど。
ホテルに保険の契約書を持ってきていた。
印鑑がないからまた後日、という話をしてそこはスルー。
「ハサミ持ってきてくれた?」
「持ってきたよ。」
「美香って俺以外にセックスするやついる?」
「今は居ないよ。旦那ともレスだしね。」
「そっか。なら剃っても誰にも見られないね。ハサミ貸して。」
黒々と伸びた陰毛を短く切り落とす。
長いまんまカミソリを当てると毛が絡まって痛いんじゃないかという俺の優しさ。
だからハサミ。
あとはホテルのアメニティのシェービングフォームとカミソリで綺麗さっぱり。うーん、マンダム。
「丸見えになっちゃったね。」
「いやー。恥ずかしい。」
ここでレインボーバイブくん。
すっごいよね。ああいうの。
俺、自分の実力で女性を気持ちよくさせたいとずっと思ってるからオモチャなんてそれが初めてで、それ以来も今まで使ったこともなくて。
驚いた。というか機械に完敗だよ。
疲れ知らずのいい仕事するね。
人間にはありえない動きで美香を狂わせる。
けど、七色に光るのはやっぱり醍醐味がわかんない。どう盛り上がればいいのか。
バイブを突っ込みながら俺がなにをしているのか確認するために、美香は時々身体を起こしてこちらを見ている。
顔もしっかりとれた。けっこうえぐい。
これはさすがに誰にも見せることはなかったけれど。
その後この動画を収めたスマホは電源が入らなくなっちゃって。
携帯ショップで下取りのうえ、機種変更。
ショップで適切に処理されたことを願う。
流出したところで、俺が悪いと罪に問われることは一切ないけれどね。
おわり。