2019年05月

いろんなところに行ったのよ。
彼女との待ち合わせ。


神奈川だったり、都内や埼玉。
俺が関東在住の人間ならね、土地勘もあるだろうし、見慣れた場所だろうけど。



「今わたし電車に乗ったんだけど、俺くん今どの辺にいる?」


「首都高走ってて、池袋とか書いてある。
あんまりわかんない。」


「池袋なら俺くんのが着くの早いかもだね。」


だから土地勘ないんだよ俺。
池袋どこだよ。
ウエストゲートパークどこだよ。
完全アウェイなんですけど。


俺んちから東名走って用賀から渋谷線入って、はいいさ。そんなもん誰でもわかる。


俺の車、ぼろっちいアメ車なの。ナビついてないの。
だもんでスマホやタブレットでGoogleマップを大活躍させるのね俺。

「首都高こわい」とかよく聞くけど、俺は車の運転が好きだし、そんなに思わない。
合流も分岐も短いスパンでたくさんあるだけ。

でも、首都高のトンネルってバカみたいに長い。
スマホナビなんて『GPS信号を失いました』とか喋りやがって全くの役立たず。

土地勘のない男の勘で首都高走るってどう。
自分の走っている場所が把握できない。
大都会のラビリンスよね。


彼女がどこに住んでいるのか詳しくは言えない。でも、その辺りに住んでいる。



まあまあそんなで。
「待ってろよ関東女!」みたいな気概が凄かった。

うん。
どうでもいい所から話し始めたけど、会う前のそういう経験もまた思い出深い。






えーっと、まあまあ不倫とかなんですけど。
なんですけど、同時進行とか誰かとの終わりと誰かとの始まりがオーバーラップすることって俺にはよくあります。

二つなり三つの別の人を秤にかけて、俺にとっていちばん都合がいい人を選んでメインにする。

なんか悪いことしてますか?俺。


そんなこんなで、ですね。
慰謝料を請求された女の話、飛行機に乗って会いに行く女のこと。

それと、もうひとりの奥様。

「俺より少し年上だけど。」と少し書いたか。


その、もうひとりの奥様のことを少し書いてみようかなと。
 



俺にとってはめちゃくちゃいい女だった。
その女性とだけ連絡を取り合っていたのなら、今でも繋がりは強かったと思うけど。


年齢の割にかわいい顔してた。
肌は白く、胸は小ぶりでお尻も小さい。

これまで男にちやほやさるることが多かったらしく、高飛車な雰囲気はあった。
若い頃の写真も見せてもらったけど、すこぶる美少女。そりゃこいつ高飛車になるわ、と納得。


もともと素直な女より、少し扱いにくい女のほうが、こちら側の「ものにした感」や「手なずけた感」が強くて俺は好き。


結局は満足感なんだろうね。

ご主人とそれなりに上手くやってる。

「主人と夫婦喧嘩したときほど俺くんとは連絡を取らないようにしてる。そういう現実逃避みたいなのでは俺くんに申し訳ないから。」

「夫婦が上手くいっているから俺くんに会える。」

そんな感覚を持つ女性だった。
割り切っているというのか、いちばん大事なのは今の生活だと俺に言い切ってくれたから、俺も変な考えを起こすことなく彼女に会うことができていた。













なんだっけね。

そう、夫婦の節目の日に俺に会ってくれると言ってくれた。

もしかすると彼女夫婦にとっては大したことのない日なのかも知れないけど、俺にはそうは思えない。

無理をしてくれた、と思う。

たとえば仲が悪い夫婦なら、決定打なんじゃないのかな。
その日に嫁が帰らないとか。


「俺くんと一泊できるようにするから。」

もちろん俺の存在は隠し通すんだが。
友達と出かけると言ったところで、何もその日にしなくても、と俺なら思う。

相当な強行突破なんだろうと思うの。


良いことも悪いこともいろんなことを思うだろうその日。その日を違う日に変えたいと思った。
例えばこの先会えなくなるときが来ても、
「いつかの今日は俺くんと居たっけ。」と彼女の記憶に俺を刻みつけたい。 

「一緒に温泉いかない?」

「いきたい!」

即決。温泉宿きめよ。
彼女の住む県内にある温泉。


最近の俺はなんでも楽天で買うの。
楽天トラベルで露天風呂のついた部屋を予約したぞ。

あとはプレゼントを用意した。



待ち合わせた場所から1時間少々のドライブ。その途中もなんだか、ね。
気持ちが前のめりというのか、フライング。


チェックイン開始の時間早々に宿に着いた。
部屋の説明を受けたらあとは二人だけ。


「来てくれてありがとう。」って用意したプレゼントを手渡した。


「俺に会うときはこれつけてきて。」と。


俺とペアのやつ。



そんでふたりでお風呂に入って、一緒に夕食たべて。いろんなこと楽しんで。



凄く寒い日だったけど、あったかい日になった。










あとからしゃしゃり出てきたにもかかわらず嫉妬のような汚い感情が芽生えるのが気持ちの入ってしまった不倫。

独占欲なんでしょうけれどね。
相手の本当の生活を俺の存在で少しずつ壊していけたらと思う。
現状維持で満足だと思えなくなる。

それくらい惚れた女がいる。
だから会いに行く。


この間からずいぶん記事にした。
他人夫婦を壊しても知らん顔の俺。
慰謝料請求されたら自力で減額交渉。


わりと淡々としていて冷たさが売りだったはずの俺が嫉妬する。
そもそも人の奥様に気持ちを奪われるのが間違いなんですけれど。




世の中に、夫婦にとって大切な日がいくつあるのか知らない。それは夫婦によってそれぞれなのか。

でも俺が思うに『夫婦にとって大切な日はいつですか?』と質問すれば、8割以上は同じことを答えるのではないのかな。

俺の場合は毎年6月1日だった。
入籍をした日。

花束買ったり、ケーキ買ったり。
子供を預けて二人だけで夕食を食べに出かけたり、旅行に出たりと、けっこう大事にしていた。


他人様のことは俺には知る由もないけれど、
俺の経験を人にも当てはめてしまうから、皆様同じようなことをしているんじゃないかと思う。


彼女夫婦のそういう日を知った。
彼女から聞いたわけではなくて、偶然。

ざっくり言えば暗号。
そういう中に何かの日付が組み込まれていることは珍しくはないと思う。


「○月△日会える?」

何も知らない雰囲気で聞いた。


「うん。会いたい。」

少し戸惑いながらもそう返事がきた。




彼女夫婦にとってその日がどれほどのものなのかは知らないけれど、見えない所で悶々と考え過ごすより、彼女に触れることができる所に俺が居ればいいと思った。





彼女のご主人、かなりいい企業に勤めている。

いま少し検索してきた。
今の彼の年齢で、その企業の管理職や商品の研究、開発に携わる人なら、年収900万~1,100万円だそうで。
「同業他社よりもはるかに厚待遇」という口コミもあった。

海外赴任を数年任される彼も、当然その枠内に入っていると思うの。

俺は会社勤めをしたことがないからサラリーマンの年収1,000万というのがどんなレベルなのか、本当のことはわからない。

普通一般で話すなら、よく稼いでくれるご主人なのかなと思う。

「うちは貧乏なのよー。」
彼女の口から何度か聞いたかな。

きっと怒り心頭でしょ?奥さん。


彼女の実家はちょっとした資産家らしいの。
俺と金銭感覚がずれている気はずっとしていた。

彼女には、自営業=経営者=小銭持ってる
という勝手なイメージがあったのかな。
だから俺を頻繁に呼び出す。
俺は便利屋とかセックスマシーン扱いだったのかもね。
こちらも感情がないからそれでよかった。


新婚夫婦なのかと思うようなペースで彼女とセックスをした。

たまにはホテルに自分が作った夕食を持参してくれた。それは作りすぎて処分に困ったからなのか、それともご主人と毎晩仲良くごはんを食べたいという小さな憧れのために俺を身代わりにしていたのかはわからない。


「おいしかったよ、ありがとう。ごちそうさまでした。」って言ったらニコニコしていたな。

女らしいかわいいところもあるんだなって。




いつかの年の瀬。
彼女のご主人が年末年始の休暇に合わせて帰国したみたい。
休暇が終わればまたもう少し赴任先で過ごすと彼女からは聞いていた。



彼女からラインがきたの。

「ちょっとやばい。ラインは無理かも。
またサイメ(サイトメール)する。」


やっぱりね、と。


その後は知り合ったサイトのメッセージ機能を使って連絡がきた。


「離婚してくれとしか言わない。」

「相手が誰なのかはどうでもいいから離婚してくれとか言ってる。」


相手は俺だとわかってるんだよね、たぶん。
でも俺を追及して、俺から金を取るよりもこの女と離婚した方が今後のためだと判断しているんだと感じた。

「俺くんとのこと聞かれたから離婚した。」

「出ていってくれって言われたからとりあえずひとりで実家にきた。」

「子供たちのことは後で考える。」


俺を庇うために着の身着のまま家を飛び出たと言っていた。


彼女の実家、ここから車で10時間ほどかかるのかな。飛行機に乗ったんだと思う。


「いまは祖父がが管理しているマンションにいる。快適だし不自由はないけど。」

資産家すご。




「子供と連絡とれない。」

「毎日子供のことが気になって病む。」

「私の大事な持ち物を送ってほしくて連絡してるんだけど、誰も連絡つかない。」


俺が何か返信する度に、彼の家が彼女に対してどんな気持ちだったのかを知ることができた。


「新しく携帯電話買ったからこっちで俺くんと連絡取り合おう。」と電話番号が送られてきた。


こちらの様子が気になるのだと思った。
思ったけれど、これ以上厄介なことになりたくなくて番号の登録はしなかった。



彼の家の前を通る。家族で出掛けられるサイズの車が停まっている。
きっと親権は彼にあるのだと思う。



うん。ここまで。
心から詫びる気持ちがあるのなら、こんなところでブログなんて書いてないんだ。





ご主人にも。
ありがとう。ごちそうさまでした。



   

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