2019年05月

また少し俺のこと話しておかないといけないのかな。
俺は生まれ育った街に今もいる。
実家を建て直し、子供の頃と同じ場所にいる。
長男なんだな。

周りには先輩や後輩も暮らしている。
当たり前だけど、地元に残った同級生も。

で、何度も話したようにその彼女のご主人も同級生。
彼女の家が建つその通りには数名の同級生の実家がある。

俺はよくある地元の繋がりみたいなのを大事にはしないタイプ。
できることなら誰も俺のことを知らない大都会で誰だかわかんない隣人と暮らしたかったと今でも思う。

友達少ないし、人のことにあんまり興味ないし、構われたくはない。



でも、見てるやつは見てるのよね。 


ある日別の同級生から連絡がきた。

「おまえさ、あいつの嫁となんかあるの?」


「誰なのそれ。
ご主人くんとも縁が薄いのに奥さんのこと俺が知ってるわけがないよね。」



「あいつの嫁バカだからいろんな男つかまえて遊んでるらしいけど、最近子供たちも薄々気付いてるらしいのよ。ママが夜中に居なくなること。」



「へー、そうなの。



「あいつそろそろ赴任期間おわるらしいしね。戻ったら離婚するとか話してたぞ。
相手がおまえじゃないならいいけどさ、もしそうだったら大変なことだぞ。」



「だから知らないって。」




俺が思うにきっとこんなかんじだ。


彼女の子供が母親の異変に気付く。
それをご主人に伝える。

ご主人から近所の同級生たちに奥様の動きを監視するように伝言がある。


で、俺と一緒に居るところ見たんだと。誰かが。


探偵もびっくりよね。
商売上がったりだ。


恐ろしいね、地元の繋がり。
だから嫌なの。


俺がどこの誰とセックスしようがね、きみたちは知らなくてもいいこと。



そのことを彼女に話した。

「確かにもう数ヶ月で戻るって話してたけど、すごく普通だったよ。怪しんでる様子なかった。」

離婚うんぬんについても触れてみた。

「うちに限って離婚はありえないよ。
だって、お互いに感謝してるし、生活の面でもお互い信頼感はある。主人がここに居ない数年間、子供たちやこの家を守ってきたのは私なんだから。」と、別段慌てる様子もなかった。


「主人が帰ってきたら俺くんと会える回数少なくなるけど、友達と飲みに行くとか言って上手くやるから。」

まだおかわりしたいみたい。
でも俺もういいかな。


怪しまれているなら早々に切り上げたほうがいいし、もう俺おなかいっぱい。



その日の夜、彼女から連絡がきた。
「なんとなくいいかんじがする。」

イマイチどういうかんじなのかわからないですけれども、いろいろなものの感触が良かったという意味で捉えていた。


彼女には少し変わった性癖があった。
いつからか毎日電話をするようになったんだけれども、電話をしていると「今日もしていい?」と問い合わせがくる。

「いいよ。」と答えるとおもむろに自慰を始める。卑猥な言葉を繰り返し、悶える。

「俺くん、こんな恥ずかしい私を叱ってください。」というようなニュアンスのことを言いながら果てるのがいつもの彼女だった。

でも女ってそういうところあるよね。




「いつものあれね、外イキしてるの。
中でイッたことってまだ一度もなくて。
でもこないだ俺くんのが入ってきたときに、なんかやばいと感じたの。」


これが、なんとなくいいかんじがする理由なんだろうね。



それからはものすごい頻度で俺を呼び出す。
おかわりを求める勢いがすごい。

据え膳食わぬは、なんて思っていた俺が甘かったと思うほど強欲な女性。



どんなに抱こうが、お互いに好きだとかそういう感情は全くなかった。俺とご主人との関係性がお互いの根底にあった気がする。


「いまからどう?」
そんな連絡がくるのが毎度夜の11時を過ぎた頃。彼女の子供が寝たころ。

俺は独身だからそれなりに対応はできたけどね。セックスできるんだしさ。



迎えに行ってホテルに入る。
一発終わるともう真夜中なんだよ。

明日の仕事のこととか心配し始めるんだよ男ってね。帰って寝なきゃって。

でも帰れないんだよ。

今度は見てないといけないの。オナニーするのを。

「私の淫らななんとかを罵って!」とか始まるんだな、これ。

も、もういいよ。ってなってるけど、俺。

でも女性に恥をかかせたくないし、それなりにやってみるんだけれどね。

皆様「セックスで豹変しない俺くん」に安心感を持ってくれているんですよ。

「急に語気が強くなる男とかドン引き」って何人かの女性が言ってた。

普段はわりと俺様なんだな、俺。
セックスになると優しい、とかもよく言われる。


罵って、とか言われてもね。
素の俺の真逆を演じる事って本当に難しい。
俳優さんって凄いなといま改めて思うわ。


それから彼女はホテルで少し眠る。
二人で寝入って朝寝坊していたら本当に大惨事が起きるからね。
俺はテレビを観ながらなんとか起きていないといけなかった。

で、また明け方。子供が起きる前に彼女を送る。



そういうのが半年くらい続いたのかな。
ちょっと食傷気味になってきていた。


なんていうのかな。
セックスの相性って大事。







ご主人とは仲がよかったわけではなくて。
同じクラスになったこともないし、部活が同じだったわけでもない。

だけれども、成績はいつも上位でスポーツは何でもそつなくこなすイケメンだったと記憶している。

卒業後の進路や就職先なんていうのは知り合った奥様から聞いた。
誰もが知っている「なんとか業界最大手」みたいなところにお勤め。


「もし良ければ今夜ドライブでもしない?」とその奥様を誘ってみた。


「子供が寝たら家でるね。近くまで迎えにきて。」とラインが返ってきた。  


彼女の家の近くで待機。

「俺くん…だよね?」
と確認し、ドアを開け車に乗り込む。

けっこう、というかかなり可愛い。
目鼻立ちがはっきりしていて、整った顔。
若作りでカジュアルな派手めの洋服を着ていた。
キャバクラ嬢だと言われて会えばそうだと納得できる雰囲気。


彼の奥様にしては少しバカっぽい印象も受けた(キャバクラ嬢がバカだとは言っていない)。
実際バカなんだろうね。俺に会いに来たんだから。


「ここじゃまずいから早く車だして。」

そりゃそうね。
俺もここでこの女と一緒にいるの見られたらまずいどころの騒ぎじゃないし。

とりあえず走らせよう。
初対面だし、どんな流れを想像してるのかわかんなかったから海へ向かうことにした。


しばらく走ってからコンビニで停まった。
「なにか飲む?」って。

「私が買ってくるね。」と言ってくれたから小銭を渡してお願いした。

車内に戻ってきた彼女が開口一番
「俺くんはわかってるよね。二人して店に入ろうとする男もいるからね。」と言っていた。
いろんな男を見てきたんだな、と思った。


一緒にいるのを見られたらまずいんだ。
そのへんはわきまえてる。というかめんどくさいから車で待っていただけ。

彼女は缶チューハイを数本買っていたの。

「家でも飲んでたんだけどね、俺くんと会うのって冷静な判断なら絶対会わないって答えになるでしょ?お酒で勢いつけないと。」

今夜の彼女の意気込みが伝わった。

伝わったけど、海に行くと言ったからには海に行く。人気のない場所で車を停めた。


運転席のほうへ無理やり抱き寄せてみた。
けっこうな力で抵抗してる。

「ダメだって俺くん!今でもやばいのにこれ以上やばい関係になるようなことしないで!」


「なら来るな。」


時刻はAM2:00。


言っとくけど据え膳なんだよこれ。
食わないで帰れるか。
明日の仕事に差し支えでるわ。



とりあえずの演技だったのかな。
すぐに抵抗もおさまった。
車のなかだけど仕方あるまい。


でも中途半端に終わりにした。
俺のがどんな感触かを体感してもらった程度。だって避妊具ないし。



明け方には彼女を家の近くまで送った。











俺はあれなんですよね。
ご近所さんというのかな。車で数分の所に住んでいた既婚の女性とも、そういうことになっていたことがあるの。

例のごとくネットを通じて知り合ったんだけど。ネットだから最初はご近所なのかどうなのかはわからなかった。


彼女のご主人は単身でどこかに赴任中。
年に数回しか自宅に戻らない。
当時30代半ばだった彼女はきっと、身体をもて余していたんだと思う。

連絡先を交換していろいろなことをきいた。

この女性もご主人以外にセックスをする相手が既にいること。
相手の男性も既婚者で、なかなかお互いのタイミングが合わないから欲求不満に陥っていること。


俺の子供と彼女の子供は、同じ学校に通っていること。うちの子供のほうが学年は上みたい。

「写真がみたい」と伝えたら、「会うまで待って」と返ってきた。

写真うつりのいい「奇跡の一枚」を送ってくるわけでもない。そんなところに彼女の自信とやる気が垣間見えた気がする。


そもそも論として、出会いかたが男と女なんです。
旦那がいる、子供がいる女性が俺と会ってもいいと言った時点で、「据え膳食わぬは男の恥」みたいな発想になる俺。 
きっと相手もそうなんだ。


部活や学校関係の何かで知り合っていたのなら、きっとセックスをするような関係にはならなかったと思う。
そういうのでくっつく話もいろいろ聞くけれど、それってどんなテクニックなのかご教示願いたい。

「奥さんところの息子くんはバットの握りが甘いですよね。」

「え…。じゃあどうすればいいのか教えてくださいコーチ。」

「お母さん、とりあえず俺のバット握ってみ。
もっと強くだよ。」

とかってことになるのでしょうか。



あと彼女と話していて知り得たのは、彼女のご主人は俺と同級生だということ。




実はさ、俺。
まだ皆様に話していないことがあって。


本当はね、俺、
楽天カードマンなんだよ。

年会費永年無料に釣られちゃってついつい。
飛行機のチケットや彼女へのプレゼントや、いろんな支払いをカードで済ませるからポイントも貯まるよね。
ひたすら貯めて温泉旅館の支払いに充ててしっぽりしちゃってずっぽりだわ。

不倫するだけでANAマイルも貯まっちゃう俺。「不倫マイラー」とは俺のことさ。

あ、そんでね。
この度楽天カードから通知が届いたわけだ。
年会費2,000円ほどで楽天ゴールドカードに切り替えませんか、と。
特典として空港ラウンジが年間2回まで無料なんだって。

空港のラウンジってちょっとあれね。
俺には未知の空間。
さっきまで壁際1メートルを歩いていたのにラウンジのドアが見えてくるとびびって壁から2メートルくらいを歩いてしまう小市民だからね。


どこかの空港のラウンジで楽天カードマンのあの格好でコーヒー飲んでるやつがいたら俺だと思ってもらって間違いないよ。
気軽に声かけてね。





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